「御神のもとへ」

「御神のもとへ」 Nikon D3 AF-S DX 18-70mm F3.5-4.5G F5 1/45 ISO200

聖地伊勢神宮での一枚です。耳を澄ますと、深い森の中から神々のささやきが聞こえてきそう・・・。そして心満たされる大きな何かに包み込まれました。天からの打水で清められたように輝く橋の前でただありがたく、自然と頭を垂れ手を合わせ一呼吸おいて向かいました。  (木田 宏)

【選評】  山口 高志氏
古とは、遠く過ぎ去った時代や過去を指します。しかし、過ぎた時代や遠い日々を追憶するだけでは不十分です。大切なことはそれが今現在の暮らしや文化に反映し、脈々と受け継がれ生かされていること。それを映像として再生することが肝心です。この、たっぷりと雨水を受け、静寂に満ちた伊勢内宮に掛かる宇治橋の画面には、信仰心の薄い私でさえ、何か、えも言われぬ大きく神聖なものに迎えられ、包まれるような気持ちの平安を覚えます。静かに気を鎮め、悠久な時の流れと対峙する作者の心情が直に伝わります。
三重県伊勢市伊勢神宮  11月上旬

2012年 隔月刊「風景写真」
11-12月号 テーマ部門 [古の景]
最優秀作品賞

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